最初は「ズルをしている」気がしていた

正直に言うと、使い始めは抵抗がありました。

「AIがコードを書くなら、自分が勉強する意味はあるのか」「これはズルなんじゃないか」。スクールで「エラーと向き合う力がエンジニアの基礎になる」と教わり、それを信じて何時間もエラーと格闘してきたのに、AIはそのプロセスを一瞬で飛び越えてしまう。積み上げてきたものを否定される気がして、最初は「どうしても分からないときだけ聞く」という限定的な使い方から始めました。

変化①:コードを書く量が、はっきり減った

使い始めてすぐ実感したのは、単純に手を動かす量が減ったことです。

これまで何十分もかけていた処理が、数分で形になる。LaravelのCRUD、バリデーション、リファクタリングのような繰り返しの多い作業では、特に効果がはっきりしていました。「このControllerの処理をServiceクラスに切り出したい」と伝えれば、プロジェクト全体の構成を踏まえた提案が返ってくる。以前は設計→実装→確認→修正と往復していた工程が、大幅に短くなりました。

開発スピードは、間違いなく上がりました。

変化②:その代わり、考える時間が増えた

ここが本題です。

コードを書く時間が減った分、僕は暇にはなりませんでした。代わりに「どういう設計にするか」「どんな仕様にするか」「そもそもこの実装でいいのか」を考える時間が、明確に増えたのです。

理由ははっきりしています。Claude Codeはコードを書いてくれますが、何を作るかまでは決めてくれないからです。どんなアプリにしたいのか、どんな体験を届けたいのか、この機能は本当に必要なのか——そこは人間の領域として、まるごと残ります。

つまり、仕事の重心が「書く」から「決める」に移動した。実装という作業に隠れていた「考える」という工程が、AIによって剥き出しになった、という感覚に近いです。

正直、この方がしんどい場面もあります。コードを書いている間は「作業している実感」がありますが、設計を考えている時間は手が止まって見える。でも、成果物の質を決めているのは明らかに後者でした。

変化③:「読む力」が、書く力と同じくらい重要になった

もう一つ変わったのは、コードを読む時間の重み付けです。

AIが提案したコードは、常に正しいとは限りません。動いているように見えて、ロジックが意図とズレていたり、セキュリティ上の問題が潜んでいることもある。だから、提案を読んで判断する工程が必ず要ります。

Laravelを学び、実際に案件をこなしてきたからこそ、「この書き方はおかしい」「ここはもっと整理できる」と気づけます。逆に言えば、基礎がなければ、出力をそのまま受け入れるしかありません。「Claudeが書いたからOK」という姿勢は、いちばん危ういと感じています。

だから、求められるスキルが変わってきている

以前の僕は、「どれだけコードを書けるか」がエンジニアの実力だと思っていました。今は違います。書く技術と同じか、それ以上に効くものがあると感じています。

要件を整理する力(何を作るべきかを明確にする)。適切に指示を出す力(曖昧な指示からは曖昧な結果しか返らない)。レビューする力(出てきたものが正しいか判断する)。全体を設計する力(部分ではなくシステム全体を見る)。

コードを書くことだけがプログラマーの仕事ではなくなりつつある——というのが、使い込んでみての実感です。

学習の仕方も変わった

学び方も変わりました。以前は分からないことがあれば検索して複数のサイトを見比べていましたが、今は自分のプロジェクトの文脈に沿った説明が返ってくるので、効率は明らかに上がっています。

ただし一つだけ、自分に課しているルールがあります。出てきた答えを、必ず「なぜそう書くのか」まで確認してから使うこと。理解しないまま使い続けると、動くものは作れても実力が伴わない状態になります。AIは学習を加速させるツールにはなりますが、代わりに学んでくれる存在ではありません。

まとめ

Claude Codeを使い始めて、プログラミングとの向き合い方は確実に変わりました。

コードを書く量は減った。でも、考える時間は増えた。楽になったというより、仕事の中身が「書くこと」から「決めること」へ移ったという表現がいちばん近いです。

AIの登場で、プログラマーの仕事は変わり始めています。ただそれは「仕事がなくなる」ではなく「求められるものが変わる」という話だと、今は感じています。だから僕は、AIを使いながら、判断できる自分の基礎も磨き続けようと思っています。結局、決めるのは人間の側に残っているので。